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戦後の復興を促進するために当時の通産省や産業界が
欧米の経営コンサルタントという職業の導入活動をして以来
多くの経営コンサルタントが排出されてきました。
先輩コンサルタントが、どのようにして独立・起業してきたのか
それを知ることにより、何らかのヒントが得られると考えます。
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今井 信行
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仕事に関係するとき以外はほとんどパソコンに
触ったことがないTさんですが、
経営コンサルタント資格取得を目指して受講を始めました。
できれば触りたくないと逃げてきたパソコンができないと
資格取得はできないと脅され、試行錯誤で取り組みました。
定年までまだありますが、これまでの経験を社会に還元したいと考え、
サラリーマンをしながら、独立・起業の準備を始めました。
その第一歩を踏み出そうとして経営士補の資格取得をしました。
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■ 1-1 パソコン音痴サラリーマンが資格取得に挑戦
一年ほど前のことです。サラリーマンをしているTさんは、自分が専門としているISO関連のセミナーに参加しました。
自分はISOについて知りたいことの吸収に汲々としていましたが、自分より若く見える講師の溌剌さに羨望と嫉妬という複雑な思いをしました。
帰宅後、もやもやしたモノを感じていたら奥さんがそれを察して声をかけ、Tさんはその日の思いを奥さんに語りはじめました。それを聞いていた息子さんが、「オヤジ!経営コンサルタントに関心があるならちょっとインターネットで検索してみようか?」と言って座をはずして、しばらくしてからA4用紙に数枚のプリントしたモノを持ってきてくれました。
それはグーグルという検索サイトで「経営コンサルタント」をキーワードで検索したらトップ表示された「経営コンサルタントへの道」というWeb サイトでした。それを読んでから息子さんに礼を言うとともに、自分の思いを話しました。
翌日の夕食時です。息子さんが「例のコンサルタントからメールが来たよ。」と言うのを聞いて、一瞬何のことかわかりませんでした。
■ 1-2 日本のトップコンサルタント
翌日の夕食時です。Tさんの息子さんが「例のコンサルタントからメールが来たよ。」と言うのを聞いて、一瞬何のことかわかりませんでした。
息子さんが「グーグルという検索サイトのトップに表示されている経営コンサルタントからのメールだよ。経営コンサルタントでトップ表示されていることは日本のトップコンサルタントということだよ。オヤジ、これはすごいことなんだよ。」と説明されても、まだ状況が飲み込めないでいました。
「日本のトップコンサルタントが自分のようなどこの馬の骨かわからない者にメールをくれるはずがない」とTさんは半信半疑でいると、「夕べ、あれからそのコンサルタントにメールを書いた返事だから、紛れもなくトップコンサルタントからのメールだよ。」と言われ、そういうモノかと思い始めました。
■ 1-3 プロコンサルタントとの出会い
「日本のトップコンサルタントが自分のようなどこの馬の骨かわからない者にメールをくれるはずがない」とTさんは半信半疑でいると、「夕べ、あれからそのコンサルタントにメールを書いた返事だから、紛れもなくトップコンサルタントからのメールだよ。」と言われ、そういうモノかと思い始めました。
メールは、偉い人の文章とは思えないような、優しい語り口で、3ページにもわたるモノでした。「よろしければ、毎月第二木曜日に文京区で開催している勉強会においでになりませんか。同じような仲間がいますよ。」という投げかけにフラフラッとして手帳にスケジュールを書き込みました。
Tさんの息子さんが、インターネットでセミナー受講の申込を済ませてくれ、当日おそるおそる会場に行ってみました。会場にいる人すべてが、大先生のように見えて、恐ろしくなって会場から逃げだそうとしたら受付の人に声をかけられました。
■ 1-4 トップコンサルタントは雲の上の人?
Tさんの息子さんが、インターネットでセミナー受講の申込を済ませて
くれ、当日おそるおそる会場に行ってみました。会場にいる人すべてが、
大先生のように見えて、恐ろしくなって会場から逃げだそうとしたら受
付の人に声をかけられ
ました。
セミナー会場に来た経緯を話し始めると、受付の人と思った相手がメー
ルで返事をくれ
た日本のトップコンサルタントであることを知り、偉ぶることもないそ
の物腰の低さに人間的な魅力を感じました。
自分が初めての参加であることから、参加者に対して自己紹介の機会が
与えられましたが、何をしゃべったかまるで記憶にありません。ところ
が、参加者の先生方皆気さくで、日本とトップコンサルタントとも和や
かに話をしています。
雲の上の人に対して恐れ多いことと自分は思うのですが、家庭的な、和
やかさでした。コンサルタントというのは、気むずかしい先生方の集ま
りと思っていただけに拍子抜けのような思いをしました。
これがTさんの初めての知修塾との出会いでした。
■ 1-5 サラリーマンと知修塾
雲の上の人に対して恐れ多いことと自分は思うのですが、家庭的な、和
やかさでした。コンサルタントというのは、気むずかしい先生方の集まり
と思っていただけに拍子抜けのような思いをしました。
これがTさんの初めての知修塾との出会いでした。
知修塾というのは、「知識を修めるための塾」という言葉から命名され
たそうですが、参加者の一人から「それだけじゃないんだよ。むしろこっ
ちの方が重要なんだ。」と話しかけてくれました。
「知修塾は、教えてもらうだけではなく、自分で研究し、その結果を発
表することができるんだ。コンサルタントにとっては、表現力ある講師
的なスキルが不可欠なんだけどなかなか講師の経験をすることはできな
い。でも、知修塾にいれば自分にもその機会が回ってくるんです。」
■ 1-6 (特)日本経営士協会への入会
サラリーマンの自分が講師をするなどと言うことは思いもよらないこと
ですが、Tさん
は、(特)日本経営士協会に入会することになりました。
入会手続きは、思ったほど難しくなく、Web サイトから申込書をダウン
ロードして、それに写真等をつけて送るだけでした。
後日、入会面接が電話で行われる旨連絡があり、30分ほどの面接を受
けました。面接は自分が専門としているISO関連が中心でスムーズに
進んでいるとTさんは思っていたときに、「インターネットはもちろん
使っていますよね?」と質問され、ギョッとしました。
実は、Tさんはほとんどパソコンに触ったことがないのです。もちろん、
インターネットもほとんど使ったことがなく、誰かに見つけてもらって
表示されているサイトを見る程度でした。
「アッ!これでももう入会できないな!」と観念したときに、こちらの
気持ちを見透かされたように「そんなに心配されなくても良いですよ。
しかし、これから特訓してください!」と言われました。
入会承認通知が来るまでの数日間は、落ちつかない日々でした。
「内閣府認証特定非営利活動法人・日本経営士協会正会員(一般)とし
ての入会を許可する」という通知が来てTさんは早速手続きをしました。
サラリーマンにとって入会金2万円と年会費24,000円は大きな出費です
が、人生への先行投資と考えればこのとではむしろ安いモノだと自分に
言い聞かせました。
■ 1-7 新しい転機
Tさんは、知修塾で特訓を受けるとともに、表現力としてプレゼンテー
ションソフトが使えることが不可欠だったので、息子さんのパソコンを
使いながら勉強をし、なんとか発表ができる程度になったと思っていま
した。
ある日、発表の機会が回ってきましたが、内容だけではなく、プレゼン
テーションも惨憺たる評価で、コンサルタントの厳しさを実感しました。
入会して数ヶ月が経ってから秋期昇格申請案内が会報とともの送られて
きました。自分には、関係ないと思っていたのですが、知修塾の際に話
題となり、塾長から「経営士補に挑戦してみてはどうだろう」と言われ
ました。
会員歴一年以上ないと経営士補には昇格できませんが、知修塾を始め他
の講習会・研修会・講演会などにも積極的に参加したので、それは高く
評価されるからということで、ダメ元で挑戦しました。
試験は厳しかったですが、口頭試問の最後に「知修塾他での努力は高く
評価できます。とりわけ、プレゼンテーション力の向上は目を見張るモ
ノがあります。」と試験官からコメントがあり、見事経営士補に昇格で
きました。秋期昇格での合格率は○%ということだったので、自分が認
められたことが大変喜ばしく思えました。
■ 1-8 セミナー講師として推薦される
内閣府認証特定非営利活動法人・日本経営士協会の知修塾で学び、
体験しながら、自分のテーマへの取り組みも深まり、プレゼンテーションも
それなりのレベルに達したと、Tさんは思うようになりました。
そんなある日の知修塾が始まるってすぐのことです。塾長から「4月か
ら来期上期の経営戦略研究会は”原点に戻って知識を整理する”という
共通テーマとなり、そこへ知修塾を代表して講師を送ることになりまし
た。」と皆を見回しながらアナウンスがありました。
まだ経営士補になったばかりのTさんにはまだ自分の実力は不充分で荷
がかちすぎると思ってましたが、他の塾員から推薦の声が上がりました。
塾長も笑顔で「私もT先生にお願いしたいと考えています。」と発言が
ありました。
Tさんは、「T先生」と呼ばれることがなかったので、自分のこととは
考えていなかったら、「T先生、お願いできますよね。」と塾長からの
声に我に返りました。
仲間からも祝福の拍手、思わず涙が流れてきました。
塾長から、「経営士補ですから、講師の資格はあります。自信を持って
つとめてください。」と声をかけられ、自分がコンサルタントに近づい
てきたことを認識しするとともに、”塾長の声援に応えて、立派な講演
をしよう”と決意しました。
■ 1-9 講演講師のリハーサル
(特)日本経営士協会知修塾塾長から、「経営士補ですから、講師の資
格はあります。自信を持って
つとめてください。」と声をかけられ、Tさんは自分がコンサルタント
に近づい
てきたことを実感しするとともに、”塾長の声援に応えて、立派な講演
をしよう”と決意しました。
Tさんは、早速それまでに塾長や仲間からもらったコメントを思い出し、
プレゼンテーションの内容を再チェックしました。準備に余念がないT
さんでしたが、ある日の知修塾で「T先生の講演のリハーサルをしまし
ょう。」と突然声がかかりました。
心づもりもなかったですが、早速リハーサルを始めました。いつもは優
しい塾長が厳しい口調で、いろいろな指摘をし、しばしばリハーサルが
中断されました。
リハーサルが終わると、仲間からもいろいろなアドバイスが出てきまし
た。
■ 1-10 初めての講師料
リハーサルでの仲間や塾長からのコメントやアドバイスをもとに、Tさ
んはプレゼンテーションを作り直しました。特に塾長が口癖のように言っ
ている「ロジカル・プレゼンテーション」になるように努力をしました。
ロジカル・プレゼンテーションというのは、相手の理解や納得が得やす
いように論理的に作成し、論理的にプレゼンテーションをすることです。
とくに、全体構成の起承転結や、今プレゼンテーションのどこの部分を
説明しているのかがわかるように話せるように準備できているかどうか
を中心にチェックをしました。
いよいよプレゼンテーションの当日が来ました。
Tさんが会場に入ると塾長がニコニコとして歩み寄ってきました。「上
手にやろうとしなくていいんだよ。」の一言で何となくホッとしました。
セミナーが終わると、真っ先に塾長が起立され、大きな拍手をしてくれ
まし。それにつられ、全員からの拍手、今まで聞いたことのないほど大
きな拍手に聞こえました。
塾長から「合格点だね。」と言われ、仲間からは「いい情報をありがと
う。」という声、でもリハーサルの時と違って今回は泣かなかった。
<「1.パソコン音痴サラリーマンが資格取得に挑戦」おわり>
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ここで紹介する事例は、多少の脚色がありますが、
できる限り事実をもとにご紹介いたします。
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