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経営コンサルタントに関するQ&A

自分は経営コンサルタントの
適性を持っているか


経営コンサルタントを目指す方の多くが「自分は経営コンサルタントに適しているのだろうか」「引っ込み思案の自分が経営コンサルタントをできるのだろうか」「学力もきちんとした経歴もないのに経営コンサルタントとしてやれるのだろうか」等々いろいろな質問が来ます。経営コンサルタント歴約35年のコンサルタントのためのコンサルタント」と呼ばれるプロコンサルタントが誠意を持って回答いたします。

 1  自分で自慢できることはないけど? 
 2  50代では遅すぎるか? 
   
   
   


■ 自分自身が自慢できる強みはないですけど、経営コンサルタントになれますか? .

はじめまして。40代女性です。
昨年の末に勤めていた会社(中小企業)が廃業しました。

就職活動を始めたのですが、手ごたえとして中々厳しいものを感じています。

以前から経営コンサルティングや企業研修に興味を抱いており、また2社のマネージメント経験からも人材教育を手がけたいと考えております。

これまでの職務経験は、医療事務、人材派遣にてキーパンチャー、CADオペレーターや経理事務などをしてきました。

某業種で店長経験もありますが、私のマネージメントははっきり言って失敗でした。

私としましては、どの仕事も気合を入れて打ち込んで来ましたが、「一番自慢できる経歴は?」と聞かれてもまだ答えられるものを持っていません。

私が経営コンサルタントを仕事とするのは可能でしょうか。また、経営コンサルタントとして不足している経験はどんなものでしょうか。

これから先、どのようなプロセスを経れば、経営コンサルタントとして独立開業が可能となるでしょうか。


昨今の就職状況の厳しさは、これまでにないことと言っても過言ではないでしょうが、私は”「不況」ではなく「普況」と考えるべきである”と経営者の方々には言うようにしています。

すなわち、現況が普通なのですから、それに耐えられる企業の基礎体力を持たなければならないということで、それに耐えられる企業になればこれから何が来ても大丈夫でしょう。

私のこの言葉に発想の転換ができ、勇気づけられて元気になった、といううれしい声を聞けるようになりました。

これこそ、「経営コンサルタント冥利に尽きる」瞬間で、これがあればこそ35年近くも経営コンサルタント業をやってこられたといえます。

近年、「経営コンサルタント業をやりたいのですが、どうしたらよいでしょうか」という問合せが増えてきています。私の答えは、「再考してはどうでしょうか」と言ってます。


経営コンサルタント業というのは、「かっこよい職業」でもなければ、「すぐに飯が食えるようになる職業」でもありません。簡単に収入にはありつけず、不安定ですし、儲かりません。

それでもやりたいというのであれば、「自分の経営コンサルタント像を描いてみて、何が強みで、何に不足があるのか、それをまず見つけて見ましょう」と回答します。しかし、それをやっても、自分が書き出した結果が正しいのかどうか、その判断ができないから相談に来られているわけですよね。

人により、目的や考え方、これまでの経験などが異なり、対応策は一様ではありません。これは企業へのアドバイスでも同じです。

人のアドバイスは、部分的に正しくても、「全体最適」とは言えません。

経営コンサルタントというのは、自分のクライアントにとって全体最適は何かを見つけ出し、それをアドバイスし、推進して、結果に結びつける仕事です。上記の自分で考えてみる、自分自身を分析してみるという方法は、自分を経営コンサルタントに近づけるためのトレーニングでもあります。


経営コンサルタントというとすぐに短絡的に「中小企業診断士資格取得」と考えて、上記を考えずにがむしゃらに勉強し、受験に失敗、再挑戦、再々挑戦でようやく合格して開業しても結局うまくいかない、という道を歩んでしまいがちです。

同じような仲間がたくさんいるので、そのような人達と交流しながら、自分流の方向性を見つけていってはどうでしょうか。私がお勧めするのは、内閣府認証特定非営利活動法人・日本経営士協会の「一般会員」になることです。

同じような人達が、経営コンサルタントになるにはどうしたらよいのか、模索しながら、勉強しながら、交流しながら、「ながら方式」でやっています。その中には、一年も経たずに「経営士補」の資格を取り、先輩と交流し”ながら”、経営コンサルティングということを体得しています。

経営士というのは、中小企業診断士より10年も前に、当時の通産省や産業界の勧奨でできた日本最初の経営コンサルタント資格です。上記の団体が資格認定をするだけではなく、資格取得の支援をしています。

経営コンサルティングを始めても、すぐに収入にはなりません。しかし、あなたもお考えのように、講師業をし”ながら”、収入を得、実力をつけて、経営士資格取得を目指すという方法もあります。

あなたからのメールは、日曜日の4:13 AMに発信されています。また、「店長時代のマネージメントははっきり言って失敗でした」とご自身の失敗を自覚しています。

このことから経営コンサルタントに必要な何かをお持ちの人ではないかと推量できます。

「一番自慢できる経歴は?」と過去を振り返ることではなく「私の専門は○○です」と胸を張って言えることのほうが大切ではないかと私は考えます。その日が来ると良いですね。

自己宣伝になってしまいますが、もし経営コンサルタント業に興味がおありならば、私が書いている「経営コンサルタントへの道」をお読みになってみてください。

 50代の男性ですが、経営コンサルタントになるのは遅すぎますか? .

 サラリーマンをしているアラフィフの男性ですが、これから経営コンサルタントになるのでは遅すぎますでしょうか?


 日本経営士協会に70代の人が入会し、経営士の資格取得をしたことがあります。その人は、金融関連企業を定年退職し、趣味に生きがいを感じていたのですが、ある人から「もったいない」と言われて、一念発起し、入会・資格取得に挑戦したそうです。

 年齢というのは、気持ちの問題で、前向きな人であれば年齢はあまり関係ないような気がします。

 年を重ねるにつれ、人間味もまし、社会的な経験を積み重ねてきていますので、経営コンサルタントになる適齢期というのはないといっても過言ではないでしょうか。

 一方で、[定年後に、ブラブラしているのはもったいないから」「サラリーマンとして面白くないから」等々の軽い気持ちで経営コンサルタントになろうとすると、なかなか成功しないのではないでしょうか。

 本気になれば、年齢を吹き飛ばし、むしろ自分の豊かな人生経験を経営コンサルタントとして行かすようにして、社会貢献をしてほしいと思います。

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1.経営コンサルタントとは

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2.事業活動と経営コンサルタントの対象範囲・対象分野

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3.士業とコンサル対象分野

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4.企業のライフサイクル・ライフステージとコンサルテーション

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5.コンサルテーションの具体的内容

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6.コンサルテーション・テクニックと人間性


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近年、経営コンサルタント(以下コンサルタントと略す)を目指す人が増えてきたようであるが、コンサルテーションに対する理解不足、認識不足も多いようなので、私なりの経験からであるが私見を述べる。ぜひ理解を深めて立派なコンサルタントになってほしいと念願する。(異論・反論も大いに歓迎します)

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1.経営コンサルタントとは

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◆経営コンサルタントとは(広辞苑による)

「企業経営の相談・診断・助言・指導を行う人」。

経営コンサルタントには、職業独占の業務はなく必須の資格というものはない。

◆中小企業診断士と経営士

 ただし、次の2つの代表的な資格がある。

●国の中小企業施策との関連で経済産業省の「中小企業診断士」という国家資格がある。クライアント企業の経営状態を調査・分析し、改善案の立案・実施の支援を行うこととなっている。

●民間資格ではあるが日本経営士協会の「経営士」という資格もある。経営に関する相談・診断・指導・調査・企画・教育訓練並びに管理を業とする者及び業としようとする者となっている

(両資格とも試験制度や資格の詳細は各自で調べてほしい)

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2.事業活動とコンサルテーションの対象範囲・対象分野

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 次の文章から企業の経営資源と主たる事業活動の関連をつかんでほしい。

まず、経営ビジョンや経営目標があり、経営者の経営に対する姿勢、つまり経営理念や経営方針、経営戦略を明確にし、経営ビジョンや経営目標を達成するための数値計画と行動計画とがある。

それは、4つの経営資源(ヒト、モノ、カネ、情報)を有効に使い、顧客に対して4つのマーケティング活動(製品、価格、販路、販促)を展開することである。

ここで皆さんに問いかけたい。皆さんはこのどの分野のコンサルテーションをするのか、これが明確になっていますか。以外に答えられない人が多いはずである。

◆経営ビジョンや経営目標づくりの分野、経営方針や経営戦略に関する分野、数値計画や行動計画に関する分野ですか。

◆それとも人材に関する分野、財務に関する分野、技術やノウハウ・設備等に関する分野、情報に関する分野ですか。

◆さらには、マーケティングに関する分野、つまり市場調査や製品計画(含む商品企画やサービス企画)の分野、価格政策に関する分野、販路に関する分野、販売促進に関する分野ですか。

うっかりすると点の部分になっていませんか。

また、コンサルテーションというのは分野に関係なく全体的なものだという方もおられると思う。

でも良く考えていただきたい。そんなオールマイティなコンサルタントはいるはずがない。

では、私は何が得意の経営コンサルタントですと言い切れるもの、名刺やチラシ・ポスターをお持ちの方がどれだけいますか。

何でもやりますというコンサルタントもいますが突っ込んでいけば何も出来ない、というコンサルタントも多いのが実情です。

ただし、点の分野だけでなく得意分野を中心とする線あるいは面的な分野に拡大をしていく必要はある。

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3.士業とコンサルタント対象分野

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 次に、士業とコンサルテーションの関係を見てみよう。

 中小企業診断士以外は職業独占業務を持つがコンサルテーションというよりは、法や規則に準拠しているか、正しく処理されているかといった結果に対するもの、あるいは諸手続きの申請や届出の代行的な業務が中心である。

主なものを上げれば以下の通り。(点=専門分野に特化、奥行きは深い)

◆人に関する資格・・・・・社会保険労務士

◆財務・税務に関する資格・・・・・税理士・公認会計士

◆ものに関する資格・・・・・技術士・級建築士・弁理士等

◆情報に関する資格・・・・・ITコーディネーター・情報処理技術者

   ◆手続き代行、紛争処理や調停等に関する資格・・
        弁護士・司法書士・行政書士・不動産鑑定士等

◆そのたの資格・・・・・販売士

 これらの有資格者は、それぞれの分野に関しては他の分野の人の追随を許さない奥行きの深い専門分野であり専門家である。事業活動の結果に対する分野、過去のものに対する分野であり、また絶対的なものである。

これに対し、コンサルテーションの分野は、これからどうするという未来、将来に向けた分野であり、ファジーな部分が多い分野であり、流動的柔軟的にとらえていく分野である。

この違いをよく理解し、マネジメントの分野やマーケティングの分野もマスターし、意識も新たにして職域を拡大してほしい。

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4.企業のライフサイクル・ライフステージ、企業規模、業種・業態とコンサルテーション

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◆企業のライフサイクル・ライフステージ

 企業の寿命は30年という説もあるように、企業にもライフサイクル・ライフステージがある。

 一般的には、生誕期(導入期)、成長期、成熟期、衰退期とあり、主にどのステージにある企業を対象とするのかも重要である。

 例えば、新規創業から成長期前半、急成長し株式公開(直前)、株式公開以降、成熟期以降に絞るなどである。

◆企業規模

 ライフサイクルと多少関係もあるが、零細・小企業を対象とするのか、中小企業を対象とするのか、中堅・中小企業を対象とするのか、中規模企業や大企業を対象とするのかなどである。

◆業種・業態

 製造業、工務店・建設業、運送業・倉庫業、卸売業、小売業、商業集積、対事業所サービス業、対個人サービス業、飲食業、IT関連業種などの中から、得意業種や特化業種等どこかに絞り込むのかなどである。

◆また、これらに関連して、一人でやるのか、組織(会社、組合)でやるのか、グループ化・ネットワーク化してやるのか、コンサルティング・ファームでやるのかといったことも検討する必要がある。

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5.コンサルテーションの具体的内容

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コンサルテーションの具体的内容は、「中小企業診断士」がクライアント企業の経営状態を調査・分析し、改善案の立案・実施の支援を行う、「経営士」が経営に関する相談・診断・指導・調査・企画・教育訓練並びに管理となっている

これらを要約してみると、以下のようになろう。

     経営全般に関する相談業務

     経営全般に関する企業調査・診断・分析業務

    企業調査・診断・分析業務による改善案の立案・企画・指導・支援

     教育訓練・研修・能力開発

このほか、講演やセミナー開催、研究・調査、執筆などが上げられる。

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6.コンサルテーション・テクニックと人間性

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 以上でコンサルテーションの対象範囲や分野、コンサルテーションの内容を見てきたが、個々のテクニックやツールには言及していない。これは各自が良いと思うものを探し出すあるいは自らでつくりだす必要がある。

 最後にもう一つコンサルタントの全人格的な人間性が必要であり、場合によってはこれが一番重要ではないかと思っている。

 なぜなら、経営者がコンサルタントを選ぶ条件を挙げてみると以下のようになる。

 ◆信頼性・協調性・責任感・誠実性

  人間として信頼できるか、なんでも相談できるか、責任をもって遂行してくれるか、人格円満誠実かなど。

◆倫理性

 守秘義務は守られるか。

◆学識・経験

 基礎学識や実務知識専門知識、実務経験・応用能力はあるか。

◆指導・支援性

 分析家・評論家でなく実情に合うようアドバイスや指導、あるいは一緒に取り組んでくれるような支援をしてくれるか。

◆その他(当たり前のものとしての資質・能力)

 計画性、資料の収集・分析力、理解・判断力、応用力や創造力、構成力や表現力・説得力、持久力、集中力、安定性など。

コンサルテーション・テクニックより人間性や全人格が重要であるがこれは教えてくれる学校もないので自らで磨くしかない。

以上、いろいろな項目を挙げてみたが、実際にはこれらの項目が複雑に交錯しており、ケースバイケースで対処していくこととなろう。

また、企業と同じようにコンサルタントとしてのビジョンや経営理念、経営方針や経営戦略、環境分析や予測力、マーケティング、経営計画が必要である。

ご寄稿

 渡邉ビジネスシステム研究所
  中小企業診断士 渡邉 勲 先生





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