第二連載 グロマコン経営指南
 

                 経営コンサルタント 久崎 力 氏


      久崎先生は、大手総合電器メーカーに長年おられ、現場から営業
     部門、海外子会社などでいろいろなご経験を積んでから、経営コン
     サルタントとしてご活躍中です。
      幅広い知識と経験を活かし、製造業を中心にご指導をなさってお
     ります。


■■■ 業務分析(フロー)の勧め(続) ■■■

中小企業へ出向して最初に感じたのは、皆一生懸命に働いているが何か無駄な事をしている、非効率に仕事をしているように見えた、改善点・問題点が無いか聞いても、色々やったとの返事、要は問題意識を持たず仕事がマンネリ化しているのである、その上業務分析(フロー)がなされていないため、管理者も問題点、改善点を見つけ出せないでいた。業務分析は改善点発掘の基本点である。

管理者は半年に1回、少なくとも1項目の業務フローを見直してはどうか。次は私がOJTとして一つの伝票の流れを追った時の、私と担当者との一問一答である

  私(w):   伝票をファイルしているが何の目的でファイルしているか。

  担当者(T): 知りません、ファイルする事になっているからです。

  w:      今までにそのファイルから伝票を取り出して見た事がありますか。

  T:      一度もありません。

  w:      伝票のファイルを止めて不都合が出ると思いますか。

  T:      発行元と経理部門がファイルしているので何かあれば
          そこに聞けば良いし、特に私の部門は中間部門なので
          問い合わせる事は無いでしょう。

  w:      管理者へ伝票のルート変更と伝票のファイル中止を指示


これは実例です、この様な事は殆どの会社であるのではないでしょうか。


       業務分析(フロー)のチェックポイント(伝票を例として)

  ● 伝票の記入方法、項目に問題無いか

  ● 伝票の承認者は誰か、内容に対して過大、過小は無いか

  ● 伝票作成のマニュアルはあるか

  ● マニュアルの内容は実体にあっているか

  ● 自分の伝票作成の目的は何か(管理者の場合何を見て何を判断基準にして

  承認しているか)

  ● 書類の流れ(ルート)は実体に合わせて妥当か。
  ● 整理整頓(保有期限、廃棄処理基準はあるか)