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                                        March 20, 2002
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   第二連載 グロマコン経営指南 

             ◆ 現場を見て先入観の排除を ◆

                        経営コンサルタント 久崎 力 氏

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      久崎先生は、大手総合電器メーカーに長年おられ、現場から営業
     部門、海外子会社などでいろいろなご経験を積んでから、経営コン
     サルタントとしてご活躍中です。
      幅広い知識と経験を活かし、製造業を中心にご指導をなさってお
     ります。


■ ニュージーランドは羊が一杯?

 2月初めニュージーランドの北島を2週間かけてドライブした。郊外で最初に
目に入ったのは"牛"でその次には"鹿"そして牛、そして又馬と続き、羊を見つけ
たのは大分ドライブしてからであった。

 羊よりも鹿が多く驚いた。地元の人の話では鹿の肉は多くヨーロッパへ輸出さ
れ今後益々増えるだろうとのことである。羊は毛を刈る手間が掛かり、その上最
近は化繊に追われている。

 また子羊を放置しておくと雨で毛が濡れ、その重みで倒れた子羊が起き上がれ
ず死亡することもあり、起こして回る手間もいる、将来は鹿の数が羊を上回る時
期が来るだろうとのことだった。私はニュージーランドは人間よりも羊の数が多
いと聞いていた(先入観)ので、この現実は以外であった。


■ 先入観による失敗

 先入観といえば、私が通信装置の開発責任者をしていた時、試作装置を携えて
客先を回ったことがある。半導体や技術の進歩により小型化された新製品には自
信があり、スマートな外観は喜んで受け入れられると考えていたのである。

 ところが性能については満足であると、しかし工事部門の担当者からは小型に
なったため設置工事が難しいとのクレームがついた。工事部門では設置について
の標準化とマニュアルが出来ており、新装置のために全てを再設計することは出
来ないと。

 話はまったく"ごもっとも"である。装置を再設計し納入した。私は開発に当た
り客先にアンケートを出している。客先要望はほとんど特性に関するもので、設
置に関しては"容易であること"としか書かれていなかったためスマートで小型の
製品は当然受け入れられると考えていたのだ。


■ 現場の経験を無視するな

 どの会社にも力が強い部門があり、そこが主導権をとるのは当然であるが、普
段、表には出ないがより重要な部門があることを承知していなければいけないと
痛切に思った。通信関係会社では電気屋が強く、当然客先の窓口も電気関係者で
ある。日頃表に出ない部門(今回は工事部門)の話を良く聞くべきだったと反省
している。又単なるアンケートを出すのでなく、実際の現場を見、担当者の意見
を良く聞く事がどんなに大切か思い知った。

 現場の話といえば、或る農機器メーカーの社長は、毎年一人で全国を回り、そ
の際には必ず農夫の格好をし、田んぼで農夫に話しかけたり、一緒に農作業をし
て機械の使い勝手を確認している。自分が部下の報告を聞き又背広を着て部下と
一緒に巡回していたら本当の話は聞けなかったであろうと、その社長は言う。

 責任者(経営者)はどんなに忙しくても現場を見て最終決断を下すべきである。
現場第一主義をモットーとすることを再認識して欲しい。



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