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【 第四連載 】「これは便利!! やさしいIT講座」
りばしてぃ倶楽部 市川 ゆきひろ 先生
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市川先生は、企業のIT化のお手伝いをしたり、個人利用者に
ITの基礎から丁寧にご指導なさることで定評があります。
SOHO事業者の支援などにも積極的に取り組んでいらっしゃい
ます。
第一回 情報リテラシー
第二回 ITって何ですか?
第三回 2進数とパソコン
■■■ 第三回 ■■■ 2進数とパソコン 2002.08.05
コンピュータやパソコンの仕組みを学習する時に、パソコンを学ぶ場合に、パ
ソコンのしくみについても勉強すると、理解を助けるのことになるのですが、す
ぐには役立たないように見えるため、敬遠されるケースが多いことが残念です。
ただ、ひと言にパソコンのしくみを学ぶといっても、何処から学ぶかという
ことが、わかりづらいということが現状かもしれません。 パソコンの仕組み
については、雑学として少しづつ学ぶというのもひとつの方法かもしれません。
今回は、2進数とパソコンの関係について解説してみます。
パソコン内部では、情報を記憶するときに、電圧、磁性などの違いを利用し
ています。 この違いは、0または1に、割り当てて表現されることになりま
す。 つまり、パソコンの基本は、0か1で表現できる世界、つまり2進数な
のです。 人間にとって難解な2進数も、コンピュータは大好きで、人間が得意
な10進数も2進数に変換して計算しているのです。
このようにパソコンを見つめたとき、0または1という、二者択一の判断を
繰り返した結果だけが、答えを表現できる手段であり、判断する条件はあらか
じめ用意されたものである必要があります。 このことが、パソコンが命令に
のみ忠実に動作するという原点なのです。
そして、パソコンではこの2進数一桁を、0または1、言い換えると、真また
は偽を表現できる単位として、ビット(bit) と名づけています。 ある用語辞
典では、「2つの選択肢から1つを特定するのに必要な情報量が1ビット。一般
に、nビットの情報量では2のn乗個までの選択肢からなる情報を表現すること
ができる。例えば、アルファベット26文字を表現するのに必要な情報量は5ビ
ット(16<26<32なため)である。」と解説されています。
1bitの情報では、0または1、の2通りの表現が可能です。 これを、2つ
組み合わせると、2bitの情報となり、00、01、10、11と4通りの表現
が可能となります。 組み合わせを増やして行って、8桁の2進数での表現、
つまり8bitの情報では、256通りの表現が可能となります。
パソコンで使われる情報の単位としては、ビットの他に、「バイト」(B)が
よく使われます。 ハードディスクなどの容量を40GB(ギガバイト)と表現
する時などに使用しています。 1B(1バイト)は、2進数8桁つまり8bitの
ことです。
2進数1桁つまり1bitで表現できる組み合わせは2通りですが、これを8桁並
べて1B(1バイト)とすると、256通りの表現が可能となります。
この256通りの表現は、パソコン内部で「文字」の識別に利用することが
できます。 もともと、パソコンで扱われる文字は、アルファベット、数字、
記号などだけだったので、使用する文字に番号をつけて表現する場合には、
1バイトで表現できることになります。
これを、体系的にまとめると同時に、誰が使っても同じ文字が使えるように
するために、1963年、アメリカ規格協会がASCIIコードとして128文字
を定義したものが現在も使用されています。 日本では、JIS規格として、
この128文字に、カタカナを付加して利用しています。
しかし、パソコンで日本語を扱うことを考えたとき、それぞれの漢字やひら
がななどの文字に、コードをつけると256種類では全く足りません。 そこ
で、2バイトを利用して文字にコードをつける方法が採用されました。 2バ
イトは、2進数16桁で、その表現は、65536通りとなります。
JISでは、漢字コードは、JIS X 0208で制定されています。 この文字コー
ドでは、第一水準3489字、第二水準3388文字、補助漢字として580
1文字が、コード化されています。
このほかにも、パソコンの細かい部分では2進数での処理がされています。
■■■ 第二回 ■■■ ITって何ですか? 2002.07.05
■ 日本語入力はローマ字入力か、仮名入力か
今回は、情報リテラシーのひとつとして、パソコンを使う上では不可欠なキー
ボードでの入力について考えてみたいと思います。
パソコンは、アメリカで開発されたものであることは、日本人にとっては大き
なハンディとなってきました。 日本語を扱うことのできるパソコンは、日本人
以外には不必要であるため、世界標準というベースでは特殊なものであるいえま
す。
日本語の入力方法として、現在のような、ローマ字入力とかな入力の2種類の
方法を作った原型は、日本語ワードプロセッサにさかのぼります。 専用機とし
て開発されたソフトウェアを、パソコンで利用できるように改良した結果、専用
機がパソコンに取って代わられたことは皮肉といえるかもしれません。
■ 主流はローマ字入力
パソコンユーザの圧倒的多数が、「ローマ字入力」を使っているのが現状のよ
うです。 どちらの入力方法を、選択するのかは、本人の自由であると言いたい
ところなのですが、ローマ字入力を強力に推薦する人が多いことと、初心者向け
に教える時にローマ字入力しか教えられない人が多いことなどが原因になってい
るようです。
しかも、会社によっては社内の入力方式をローマに入力に統一するという馬鹿
げたルールを本気で作っているケースも聞いたことがあります。
ローマ字入力を推奨される理由は、キーボードの配列を覚える数が少なくてす
むという理由です。 たとえば、小学校での情報教育は、低学年から開始されま
すが、実際にローマ字が教科書に登場するのは、4年生だそうです。 3年生以
下の生徒さんにはどのように教えているのかが疑問に感じますが、対応表を横に
おいて、ローマ字入力を推奨しているケースがほとんどだそうです。
■ 小学低学年児童はどうする?
それならば、4年生になったときにはローマ字については熟知していることに
なるので、国語教育でのローマ字をなくして、情報教育の初歩として1年生から
ローマ字を必須にするという案が出てくるかというと、そうでもないところが日
本は不思議な国です。
子供たちは自然に覚えるのでそれほど心配はないのですが・・・、IT講習会
で初心者向けの講習を行うと、キーボードの練習なのか日本語の講義なのかがわ
からなくなるという本末転倒な状態も発生してしまいます。
■ どちらがよいか考えてみよう
かな入力の愛好家のつらい部分は、入力方式の切り替えの煩雑さにあります。
先に紹介した、会社内をローマ字入力に統一するという理由には、かな入力に
切り替えて誰かが使ったパソコンは、別の人が使う時には、ローマ字入力にふた
たび切り替える必要があるということです。 社内のパソコン利用者に切り替え
方法を教えるよりは、ローマ字入力の仕方だけを教えたほうが、サポートをする
人間にとって簡単であるというのが、このルールの根底に見え隠れするのです。
このような他人の思惑を除外して、自分の入力方法としてどちらの方法が適し
ているのかを再点検してみてはいかがでしょうか?
■ メリットとディメリット
ローマ字入力では、
キーボードの配列を覚える数が少なくてすむことが最大のメリットですが、
キータッチの回数が増えることがデメリットです。
かな入力では、この逆になります。
そしてなにより、頭の中で日本語からローマ字に変換しながら(場合によって
は対応表を見て確認する)入力をする必要がないことです。
もうひとつ、キーボード入力で、肝心なことはキーの配列を覚えることではな
く、正確に入力できることにあると思います。 もちろん、10本の指を使っ
てブラインドタッチができれば理想的ではあるかもしれませんが、その能力を全
ての人に求める必要はないはずです。
キーボードを覚えないといけないと言う意識は、パソコンが苦手という意識に
直結するような気がします。 キーボードを正確に入力するためには、「覚える
より慣れる」という習慣をまずは身につけてみませんか?
■■■ 第一回 ■■■ 情報リテラシー 2002.06.05
情報リテラシーという表現をよく耳にするようになっています。
「リテラシー」とは、「識字」のこと、つまり、「どのぐらい文字が読める
かという、読み書きの能力のこと。」なのですが、情報リテラシーという場合
には、情報分野に関する知識や能力のことになります。 つまりは、パソコン
やインターネットなどの「IT」と呼ばれる技術に関して、どのように活用で
きるかの能力であって、パソコンを使っている、インターネットを使っている
という単純なものではなく、仕事や趣味などに、どのように活用するかという
ことが大切なのだと感じています。
リテラシーという意味では、それまでに受けた教育や経験によって、個人差
が発生することは、避けられないものですが、逆に意欲を持てば、短時間でも
飛躍的に、能力は向上すると思われます。
インターネットを使い始めると、ネットサーフィンや、電子メールによる、
メールマガジン、ダイレクトメール、などによってさまざまな情報を目にする
機会が増えることになりますが、多くの情報の中には、信憑性を疑うものや、
詐欺まがいのものも含まれていることを認識する必要もあるでしょう。
インターネット上の情報は、検閲を受けないという性質から、発信者の自由で
あることが原因なのですが、「本当に有効な情報とは何か?」「信頼できる情報
源は何処か?」などを探して、情報を選別する能力も、情報リテラシーのひとつ
として、育てておく必要があると思います。
「パソコンが使えますか?」という質問の答えるのひとつとして、「車の運転
にたとえると、普通に運転はできるが、F1マシンの運転まではできない」という
回答をもらったことがあります。
私自身も、経験という意味では、学生時代も含めると20年以上コンピュー
タに係わっていますが、興味を持った分野だけしか、使ってきていませんので、
不勉強で解からないこともたくさん残っていますので、まだまだ未熟だと思っ
ています。
ただ、郊外のスーパーに買い物に行くにしてもF1マシンは必要ないですし、
隣近所のコンビニに出かける時は、自動車すら必要ないかもしれません。 必
要に応じて、交通手段を選ぶ能力は、ほとんどの人に備わっているのです。
このような能力のことを、リテラシーと呼ぶのであれば、情報リテラシーは、
必要に応じて、パソコンやインターネットを使い分けて、活用する能力を指す
ことになります。
ずいぶん昔のことですが、Excelを使って、社内文書や手紙を書いてい
る人に、出逢った事があります。 Excelは、表計算のためのアプリケー
ションなのですが、その人にとっては、一番最初に覚えたソフトであったこと、
当時は、ワープロソフトの定番は一太郎で、操作性が必ずしも統一されていな
かったことなどの理由で、表計算ソフトを、ワープロを代用して使いこなして
いたのです。 固定観念やメーカーの思惑に拠らないすばらしい使い方だと感
心したものでした。
作成した文書を、印刷をしてFAXや郵便で相手に届けるのであれば、作成す
るツールを問わないというか、結果が同じであれば自分流で良いという例だと思
います。
このように考えると、パソコンの使い方には正解がいくつも用意されていると
考えられます。
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