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   3回連載 プロのコンサルタントをめざそう

        「ITコーディネータ資格制度のご紹介と誘い <1/2>」

         中小企業診断士・ITコーディネータ 井上 満 先生

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     井上先生は、中小企業診断士をはじめ多数の資格を持ち、
     企業経営者の相談に乗っています。その中でITコーディ
     ネータの資格について、ご自分の経験を活かして、これか
     ら資格取得をなさる人のために、やさしく解説してくださ
     います。


■■■ 第一回 ■■■

★はじめに

 当メールマガジン発行者の経営コンサルタント・グロマコンの今井信行先生か
ら『どのような資格が有効なのか、多くの人が判断に困っています。それをメー
ルマガジンを通じて紹介できれば、多くの人のご参考になると信じます。』との
お勧めもあり、このたび、ITコーディネータの資格制度をご紹介します。

 今回から、3回に分けて連載したいと思います。第1回目は、資格の概要につい
てです。2回目は、資格制度について。最終回に私の資格取得までの体験談を掲載
し、参考にしていただければと思いますので、よろしくお願いします。


★資格の概要

≪ITコーディネータとは≫

 ITコーディネータ(Information Technology Coordinator)とは、経営とI
Tの双方に精通し、経営者の立場に立って、経営とITを橋渡し、真に経営に役
立つIT投資を推進・支援するプロフェッショナルと定義されています。


≪ITコーディネータの役割は≫

 経営者の頼れる片腕として
  ・ユーザーサイドに立ち最適なソリューションを提供する。
  ・経営者の視点で、企業の情報リテラシー(ITを利用する能力)に合った
   情報化投資をサポートする。
  ・IT化戦略立案から運用までを一貫してサポートする。
  ・経営目標に合致した情報化を、情報化戦略立案から導入・運用まで一貫し
   てサポートする。
  ・経営成果に直結するシステム化を構築する。
  ・短期間に適切な価格で高品質な情報システム導入をサポートする。(IT
   プロダクトの有効利用)

 上記の役割を達成するために、次の5つの活動フェーズが用意されています。

・経営戦略策定:企業業績を向上させるために経営戦略的に情報化すべき対象を
選定し経営目標を策定する。

・戦略情報化企画:策定した経営戦略を情報化面で実現するための情報化実行計
画を策定する。

・情報化資源調達:情報化企画に基づいてベンダーへの提案依頼書(RFP:
Request For Proposal)を作成し、制約条件の元で最大の投資効果が期待され
る提案を選択・評価して調達を行う。

・情報システム開発:情報システムの開発、テスト、業務運営組織への導入。計
画に対してどうか定期的にモニタリングを行う。

・運用サービス・デリバリー:情報システムの運用を含めた業務運営。目標とし
た情報活用サービスレベルが達成されているかどうか等定期的にモニタリング
を行う。

 以上がITコーディネータの概要ですが、ご理解いただけましたでしょうか?
このたび発行されているITコーディネータ協会のITコーディネータ補の募集
ポスターをみると、幕末の坂本竜馬をイメージしたデザインでした。幕末に薩長
連合の橋渡しをした竜馬と構造改革を進めている現在に経営とITの掛け橋とな
るITコーディネータのイメージを重ねたものなんでしょう。

TOP

■■■ 第二回 ■■■

★ ITコーディネータ資格制度

ITコーディネータ及びITコーディネータ補は、特定非営利活動法人ITコー
ディネータ協会が認定する資格です。ITコーディネータ補は、ITコーディネ
ータのジュニア資格であり、ITコーディネータへの入門資格と位置付けられて
います。

 この非特定営利活動法人ITコーディネータ協会は、通産省(現経済産業省)
が主導する官民一体となった情報化推進を行うITSSP(ITソリューション
・スクエア・プロジェクト)がその前身です。

 産業構造審議会の中間報告を受け、1998年6月より活動しています。ITSSP
の活動の背景としては、米国がITを活用して高い国際競争力を維持しているの
に対し、わが国で情報化投資が景気浮揚に直接の効果をあげていません。

 わが国の産業の競争力を高めるためには「戦略的情報化投資」の活性化が必要
であるとの観点から、このITSSPが組織されました。ITSSPでは、「戦
略的情報化投資」を促進するためCSO(chief Strategic Officer)支援環境
の整備と、CSOを外部から支援する人材の育成を大きな柱としています。この
ITSSPの役割が、ITコーディネータ協会に引き継がれています。

※ CSOとは、産業構造審議会情報産業部会「情報化人材対策小委員会」中間
報告で、従来のCIO(Chief Information Officer)と異なる呼称として、C
SOを提案しています。「戦略的情報化投資」の観点から、「経営戦略」の視
点が重要であるため、CSOを提案しています。大手企業であれば情報戦略統
括役員というような肩書きで、CIO社内に抱えることができます。しかし、
中堅・中小企業にとっては困難です。CSOの役割を担う人材は、企業の事情
によって異なりますが、経営戦略を担うことから、社長、または社長に属する
情報化投資に関する決定権を持つ人材です。


○ 一般対象

 ITコーディネータ補になるためには、ITコーディネータに必要な専門知識
を修得し、ITコーディネータ補試験に合格するとともに、ITコーディネータ
協会で実施するITコーディネータ資格認定制度(一般)ケース研修を受講終了
する必要があります。試験の合格及び研修終了の順番は問いませんが、この2つ
の条件を満たすことで、ITコーディネータ補として認定を受けることができま
す。

 ITコーディネータになるためには、ITコーディネータ補の資格を取得後、
実務経験を積み継続学習を行い、毎年資格を更新する必要があります。


○ ITコーディネータ補試験

 知識と応用力を問う第2回ITコーディネータ補試験の概要は次のとおりです。
ただし、このメルマガが発信された時点で、既に間に合わないと思いますので、
   http://www.itc.or.jp
にリンクしてみてください。

  ・試験日:2002年5月26日(日)
  ・受付期間:2002年2月1日〜3月29日
  ・試験場所:札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、高松、福岡
  ・受験料:2万1千円(税込み)
  ・試験時間:150分
  ・出題形式:多岐選択式、120問


○ ITコーディネータ資格認定制度(一般)ケース研修

 ITコーディネータ資格認定制度(一般)のケース研修は、専門知識研修及び
自己学習によって身につけた専門知識を、実務で使いこなすためのプログラムで
、受講期間は15日間、受講費用は500,000円(研修の教材費用を含む。

 2002年4月以降は、別途消費税がかかる)。→(厚生労働省教育訓練給付制度)
指定講座…資格取得にあたっては、ケース研修の受講終了が必要となります。そ
の他ケース研修の等の詳細については、ホームページをご覧下さい。
   http://www.itc.or.jp


★ プロフェッショナル特別認定制度

 ITコーディネータを早急に輩出し、社会に提供する必要性から、2001年4月1
日現在でITコーディネータ協会が指定する有資格者で、直近の3年間にITコー
ディネータ協会が規定する業務に従事しているプロフェッショナルな人材にプロ
フェッショナル認定制度が実施されています。ただし、期間は制度開始当初の3年
間(2003年3月末まで)です。


○ プロフェッショナル特別認定制度の対象資格
  ・情報処理技術者…システムアナリスト、システム監査技術者、プロジェク
   トマネージャ、上級システムアドミニストレータ
  ・技術士(情報工学部門)
  ・中小企業診断士
  ・公認会計士
  ・税理士
  ・PMP(プロジェクトマネジメントプロフェッショナル)
  ・公認情報システム監査人(CISA)
  ・日本経営品質賞審査委員(主任監査委員、審査員、審査員補)


○ プロフェッショナル特別認定制度の流れ

  ・実務実績審査及び対象資格審査
  ・プロフェッショナル特別認定用専門知識研修コースの受講
  ・ケース研修の受講
  ・試験
  ・ITコーディネータ認定申請
  ・ITコーディネータ資格認定




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