経営者・管理職とコンサルタントの交流サロン

メールマガジン 発行にあたって

         No. 007   November 15, 2001


    経営者・管理職の悩みを解決する

  経営コンサルタントにお仕事紹介

  経営コンサルタントになりたい人の情報


 今後とも末永いおつきあいをよろしくお願いします。







■■■ も く じ ■■■

  ◆ 第7号発行ご挨拶
  ◆ 第一特集 「失敗しない経営者・管理職はここが違う」
               第二章   ベクトルをあわせて全員営業で営業強化
                 2−1 全社のベクトルをあわせよう
  ◆ 第二特集 グロマコン経営指南 
                          業務記述(分析)の勧め 
  ◆ 第三特集 知っていて得する経営情報
                          身近にある中小企業のための金融機関 ◆


連  載 失敗しない経営者・管理職はここが違う


第二章 ベクトルをあわせて全員営業で営業強化
 1−6 スパイラルマネジメントで管理の基本ができる


 例年ですと、11月という月は、われわれ経営コンサルタントは比較的時間的な
ゆとりがとれ、コンサルタントとしての研修を年末にかけて何度か実施します。
 ところが、今年は、アメリカ経済もマイナス成長、国内の失業率が5.3%と
これまでにない不況状況で、経営者も先行き不安から、今後の経営舵取りをどの
ようにしたらよいのか、私どもへの相談が多くなっています。
 その結果、スケジュール的にゆとりがなく、毎日時間とかけっこをやっていま
す。

 今回は、第一特集が第二章の初回と言うことで、第一章を振り返り、また第二
章の第一節を第一章との関係を考慮して、初めての方でも連続性がとれるように
編集してみました。

 第二特集では、経営コンサルタントの久崎力先生による「厳しい経営者・管理
職道場」です。今回は「業務記述(分析)の勧め」という題で、実務に即したア
ドバイスをご紹介します。

 今回から始まる第三特集「知っていて得する経営情報」は税理士の谷澤先生が
ご担当で、今回は身近な中小企業の金融機関として中小企業金融公庫をご紹介い
ただきます。



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        第一特集 「失敗しない経営者・管理職はここが違う」

        「第二章 ベクトルをあわせて、全員営業で営業強化」

              2−1 全社のベクトルをあわせよう

         経営コンサルタント グロマコン 代表取締役 今井 信行

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 前号で『「管理」というのは暖かいものです』という第一章を終わりました。
その第一章を要約してみました。

 管理という言葉は、多くの人は「冷たい感じがする」といっていやがります。
でも、「管理とは仕事をしやすい条件・環境作り」と私は考え、管理とはむしろ
暖かいものだと考えています。

 経営者・管理職は、自分の会社が、当たり前のことが当たり前にできるように
するために、社員にその条件作り・環境作りをしてあげ、社員一人一人の個性を
伸ばし、その社員の力を結集して「会社の財産」を大きくしていきます。

 会社が作った財産を、「管理」や「OJT」(On-the-Job Training) を通じて
社員に還元していき、さらに会社の財産を大きくしていくようにしましょう、と
ご提案してきました。

 「当たり前のこと」とは、その会社のレベルで、上記のような善循環を繰り返
すことにより、会社の当たり前のレベルは高くなっていくのです。すなわち「当
たり前のこと」は「会社の力」であるのです。会社の財産を大きくすることが、
会社の力、企業力を向上させていいくことになるのです。

 当たり前のレベルを上げていくために必要なのが「管理」です。

 管理で会社のレベル、当たり前を上げるためには、企業が目指す方向に全社員
のベクトルをあわせることが重要であることをお話し、「金太郎飴経営を見直そ
う」というお話しをしました。

 人によっては「金太郎飴経営」を好ましくないとお考えの人もいると思います
が、全社員が目標を、同じレベルで認識し、共通した目標に向かって行動をする
ことをここでは意味しています。

 これを「共通目標・共通認識・共通行動」といい、英語の頭文字がたまたま3
つのCとAですので、これを「3CA’s」といいます。

 では、管理を通じて、このことを実践していくためにはどうしたらよいのでしょ
うか。温故知新、誰でも知っているP−D−S、すなわち Plan - Do - See
(Check)の繰り返しが重要であるというお話しをしました。

 今更、P−D−Sでもあるまいと言う方もいらっしゃるでしょうが、これが暖
かい管理の基本なのです。

 計画があっても実行されなければ、経営は成り立ちません。形骸化した計画は
絵に描いた餅にすぎません。実行するに当たって闇雲に動いてもロスが多く、ヒト
・モノ・カネ・情報・時間といった経営資源を多く費やさねばなりません。それ
には統制が必要になります。

 このP−D−Sの繰り返し、これを経営螺旋=マネジメント・スパイラル(
Management  Spiral)といいます。このマネジメント・スパイラルの考え方に基
づく経営手法をスパイラル・マネジメントといいます。

 そして、そのP−D−Sというスパイラルを大きくして、スピードを高めるこ
とにより管理の効果が現れ、業績が向上するのです。

 例えば、営業部門を強化するには、営業部門のスパイラル・マネジメント化を
はかります。そのツールを「営業設備」といい、営業設備は営業を通じて企業の
財産を蓄積するためのツールとなります。

 その基本が、毎日の営業活動であり、それを通じたデータや情報の蓄積が重要
な意味を持っているのです。今日のSFA(Sales Force Automation)やCRM
( Customer Relationship Management)の基本的な考え方につながっているので
す。







 それでは、これから第二章に入りましょう。
 第二章は、「ベクトルをあわせて、全員営業で営業強化」で、サブタイトルが
「期間・年間スパイラルと長期計画」です。


■■■ 計画が悪ければモラールは下がる ■■■


 半期や四半期、または年間スパイラルも、月間スパイラルの繰り返しとして、ス
パイラルをより大きく、太いものにしていきます。期または年間などの短期計画で
は、業務中間チェック表を使って業績の早期集計と、計画期間中途の計画進捗状況
のチェックにより、期中における問題点の早期発見をし、それに対する早期対応策
の計画・実施が重要です。

 営業計画を立案するのに、前年実績の何%アップという立案方法をとっている企
業があります。あるというより大手の企業ですらこの方式または、それに毛がはえ
た程度の方法でお茶を濁しているところがあります。



■■■ 企業は永続的でなければならない ■■■

 まだこのような方法ででも売上計画をたてていれば良いほうだ、といえるほど
お粗末な状況で、企業ともいえない企業が多いのが実状です。

 例えば、前年度の売上が前々年の実績を大きく割っていたとしますと、今年度の
目標は前々年の実績より低いかもしれません。それなりの事情があってのことで
あれば問題は少ないのですが、そうでなければ、この企業は、縮小または衰退傾
向にあるといわざるをえません。

 企業がゴーイング・コンサーン(永続性)たるべきところに企業の社会性・公
共性・公益性があるのであり、このような企業の存在は社会悪といっても過言では
ありません。抜本的な対策に基づく計画が必要です。



■■■ 全社一丸の全員営業 ■■■


 計画必達のためには、全社一丸となり「全員営業」の態勢で望む必要があります。
 全員営業では、各自がバラバラに動き回るのではなく、それぞれの立場で、そ
れにふさわしい行動をとります。くどいようですが、共通目標を共通認識し、ベ
クトルをあわせて共通行動をとるという3CA‘s を前提にしてこそ「全社一丸
の全員営業」が実現できるのです。

計画は常に上位計画との整合性が取れていなければならないので長期計画は社
員の誰もが、いつでも見られるようにしておく必要があります。机の中に仕舞い込
んではいませんか?



◆ 予告

 「第二章 ベクトルをあわせて全員営業」、その2回目として「2−2 全社
のベクトルをあわせる」をお送りする予定です。



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               第二特集 グロマコン経営指南 

              ◆ 業務記述(分析)の勧め ◆


                経営コンサルタント 久崎 力 氏

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       久崎先生は、大手総合電器メーカーに長年おられ、現場から営業
      部門、海外子会社などでいろいろなご経験を積んでから、経営コン
      サルタントとしてご活躍中です。
       幅広い知識と経験を活かし、製造業を中心にご指導をなさってお
      ります。



 仕事の内容と給料のミスマッチに不満を持つ人が多く見られる。これは上司
(会社経営者)と従業員の間にハッキリとした仕事の取り決めが無いことに起因
していると思う。

 今までの給料体系が終身雇用制を前提にしているから短期的な業績には目をつ
むる傾向があったことだと思う。しかし最近では人材の流動化が進み、この様な
状況は長く続かない時期に来ている。

 この"業務記述"は米国では常識であるが、日本ではプロ野球界で早くから、業
績による評価が行われている事は一般に知られている。この場合、事前にフロン
ト(監督)と選手間で業績評価の基準が打ち合わされている。

 皆様の会社でも"業務記述(分析)"を導入しては如何ですか。


 ■ 業務記述(分析) ■

  ◆ 方 法
   ― A4 1〜3枚程度に箇条書きする。
   ― 年1回の結果の評価と見直し(部下と上司及び上位上司参加)。
   ― 部下と上司のサイン。

  ◆ 内 容
   ― 何をするかが明確かつ具体的であること
   ― 部下と上司が充分納得していること。
   ― 願望は書かない。

  ◆ 効 果
   ― 各人が何をすべきか明確となり、交替要員採用の際に事前に双方で
     業務内容が確認でき、採用後のトラブルを回避できる。
   ― 来るべき人材の流動化に対処できる。 
   ― 給料評価の基準が明確であり従業員のやる気を引き出せる。
   ― 業務の無駄、重複の排除。


【 メールマガジンコメント 】

 頭で考えているだけではなかなかよい発想が浮かばない時に、状況や問題点を
紙に書いてみると、予想もしなかったような思わぬアイディアを思いつくことが
あります。
 業務も既述することにより、その改善点や問題点を発見できるのではないでしょ
うか。その意味でも、今回の久崎先生のアドバイスを試してみてはどうでしょう
か。



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         第三特集 知っていて得する経営情報 

         ◆ 身近にある中小企業のための金融機関 ◆

                税理士   谷澤 佳彦 氏

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 中小企業金融公庫の融資姿勢を聞くことができましたので、簡単にまとめてお
知らせします。


1. 同じ政府系である国民生活金融公庫との違い

















2.融資OKとなる条件

   社長の夢にかけることができる


3.赤字あるいは※債務超過会社への融資

   社長の熱意+努力→会社が生き返る可能性有
         ↓
       融資OK

  ※債務超過=簡単にいうと、手持ちの資産全てを売却しても借金が返し切れない状態


4.金利

   10年国債金利+α程度 (所定の無担保融資は有担融資+0.3%)
          ↓
   平成14年からは、財投機関債の調達金利を元に、利益の出る金利とする
   なお、債務超過会社等の場合は、上乗せ金利となる


【 メールマガジンコメント 】

 国民生活金融公庫でも、企業向け融資を行っているのですね。小規模の企業向
としては身近な金融機関の一つと考えてよいわけです。しかも無担保でもよいと
いうのですから、知っていれば、いざという時に、助かります。何も知らなけれ
ば金利の高いところに行ってしまいがちです。