経営コンサルタント小説 竹根好助 「先見思考経営」 |
||||||||||||||
|
||||||||||||||
アメブロ/社長ブログ/ ブログ人/Yahooブログ |
||||||||||||||
これまでのあらすじ | ||||||||||||||
印刷会社ラッキーの社長である幸育雄は、顧問をしている経営コンサルタントである竹根好助(たけねよしすけ)の訪問を受け、愚痴を聞いてもらうことになった。竹根は、気分を変えるために幸を近くにある靖国神社につれ出したところで回想シーンに入る。 【 1 親子の諍い 】 先代社長育太郎の長男の現社長である育雄は、都内の有名私立大学の文学部をそれなりの成績で卒業後、大手の印刷会社に勤務経験が三年ある。育太郎が創業した会社は、印刷会社といっても、謄写版という簡易な印刷機で印刷をする。 時代も流れ、一九七〇年代に育太郎の会社に入社したての頃の育雄は、大手印刷会社での三年の経験と自分の会社とのギャップの大きさに辟易していた。息子の育雄は、父親の古い経営に批判的である。 反抗する育雄を育太郎は何とか説得しようとし、逆に育雄としてはどのような会社にしたいのかを訊く。育雄は答えに窮しながらも活版印刷機を思い切って導入することを提案する。ようやく二人の意見が一致し、機械導入を決心し、お互いの心が通じあう。 社長の育太郎は、育雄常務の海外遊学を提案すると、育雄もその気になった。 【 2 アメリカ初体験 】 幸は、竹根に初めて会った30数年前の1970年のことを思い出していた。幸がロス空港に降り立った時のことである。幸のスーツケースが見当たらず、若い二人は大慌てをする。空港職員に事情を説明するのであるが、とんちんかんな対応をされてしまう。 【 3 再会 】 はじめてロス空港で会ったときの弥次喜多道中の始まりを思い出した二人であったが、再々会した現代に戻り、ふたりは靖国神社境内を散歩している。幸が何かを言いたい風情を読み取った竹根が幸を社内から連れ出したのである。桜を観ながら、二人が話し込んでいる内に、いつの間にか再会した1980年代の思い出に戻った。 再会は、はじめてロスであった10余年後のことである。バブルが始まる直前に幸育雄が社長に就任したある日、講演会の案内状が来た。気が進まないながらも会場に出向いた。司会者の紹介で「竹根」という言葉が聞こえたが、自分の耳を疑った。 竹根というのは珍しい名前である。――しかし、あの竹根さんではあるまい――と幸は半信半疑であったが、登壇してきたのは、幸の知っている竹根であることを確信した。講演の内容は、時代の最先端を行く業界の命運に関わる内容であった。 翌日、早速幸は竹根と面会した。雑談の中で、経営コンサルタントというのや信用ならないというような話題になった。ひとしきりしてから、二人が初めて会った1970年に思い出が移った。 幸がプリントショップと言われる小さな軽印刷所があちこちにあることを知ったのは竹根の案内のおかげである。その竹根に惚れ込み、幸は顧問として招聘する決意をした。企業の健康診断法である竹根独自のビジネスドックから入ることが提案された。 |
||||||||||||||
|
||||||||||||||