年輩初心者のパソコンの選び方
今井 信行
どのようなパソコンを買ったらよいかという質問をしばしば受けますが、これは大変難しい質問の一つといえます。そこで私は「パソコンを選ぶときには、何に使うか、予算はいくらか、どのようなタイプが好みか」をまずお聞きするようにしています。
大変乱暴の決め方ですが、以下に簡単にタイプ別に分類して判断する考え方をご参考に紹介します。
1.デスクトップ/デスクサイド型
企業などでよく見かけるタイプで、机の上に置くデスクトップ型と、机の脇などに置く、デスクサイド型(タワー型)とに大別されます。高性能の割には価格が安く、企業やプロ向きです。反面、広いスペースが必要という欠点もあります。
2.省スペース・ボックスレス型
デスクトップ型の欠点を補うのが、コンパクト型とボックスレス型です。コンパクト型は、デスクトップ型の本体を小さくしたものです。ボックスレス型は、デスクトップ型の本体(ボックス型の部分)をディスプレイ(テレビのような表示装置)の足に組み込んだ形です。
最近の流行で画面が見やすく、省電力設計になっています。デスクトップに比べ価格がやや割高なことと、拡張性(いろいろな機能を追加する)があまり良くないという欠点があります。どちらかというと初心者向けといえます。
3.ノート型
ノート型はA4サイズの標準型(オールインワン)と、B5サイズの小型(モバイル)があります。省スペースと持ち歩きができるので便利ですが、拡張性が良くないと言う欠点があります。価格が比較的高いのですが、最近は手頃な機種もずいぶんあります。
私見
異論も多いと思いますが、独断と偏見に満ちた見解を述べてみます。
初心者にはノート型はあまりお勧めできません。省スペースや持ち運びという便利さに惹かれて、ノート型がよいという方にはオールインワン型をお薦めします。オールインワン型はフロッピー・ディスクやCD−ROMといった装置を内蔵(脱着式も多い)しています。
最近は、従来のパソコンメーカー以外のメーカーの機種で、セミプロ的な人に好まれているものがあります。初心者向けのノート型は売れ筋メーカー品から入門してはどうでしょうか。
価格を重視するのであればデスクトップ型が良いと思います。ワープロや表計算ソフトという基本的なソフトと、必要最低限の機能をもった入門機で15〜25万円くらいで買えます。
省スペースという観点では、ボックスレス型があげられますが、コンパクト型がやや拡張性に優れていることもあり、初心者にはよいかもしれません。
購入の注意点
価格には、ディスプレイ(表示装置)やソフトが含まれていないことがありますので、買うときに必ず確認する必要があります。また、年賀状など印刷する必要がある場合には、プリンタが必要になります。プリンタは2〜3万円のカラープリンタでも充分でしょう。ただし、写真の印刷をするためには5万円以上の機種でないとすぐに不満になるでしょう。
メージャーなメーカー以外の機種の場合には、キーボードやマウスという必ず必要な機器が付属していないことがあるので、「必要最低限度の機器とソフトはついていますね」と確認することをお薦めします。
パソコンは、便利で、以外とおもしろいのですが、奥が深く、トラブルも付き物です。初心者が買うときには、パソコン販売の実績のある大型店で買うことをお薦めします。量販店とか小さなお店で買うと、困ったときに十分な対応をしてくれないところがあるので初心者は避けた方がよいのではないでしょうか。
パソコンは次から次へと新しい機種が出てきて、すぐに旧モデルと呼ばれるようになります。しかし、ほとんどの場合はそのまま数年は使えるでしょう。中古パソコンは機能制約があって、ソフトによっては使えないと言うようなことがしばしばあります。ですから初心者が中古パソコンを購入することはさけた方がよいと考えます。
水を差すつもりはありませんが、パソコンは間口が広く、とても一人の人間では手に負えず、仲間をつくって一緒に苦労するのが良いようです。「わからないことだらけ」の泥沼であることを覚悟する必要があると思います。大型店では、有料でパソコン教室を開いたり、わからないことを教えてくれるサービスがあります。それらの利用をお薦めします。
【 注 】 このページで紹介した写真は、NEC様のWEBページから引用しました。
http://www.pc98.nec.co.jp/product/