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経営トップ15訓 ”当たり前”が実行できる |
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第 10 訓 社員(会員)の協力はボランティア精神に基づく ”好意”であることを忘れない |
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■ 上から目線の回避 一般企業の社員というのは、その企業のために仕事をし、その対価としての報酬を受け取るという契約です。社員は、上司の指示命令の下に活動するのが原則です。 雇用側も社員も「労働と対価」の問題で、契約上では対等であると思い込むと、実は対等ではなく、上から目線で社員を見ていることになっていることが多いのです。 社員は、雇用主の企業以外で働くことも選択できるのです。それにもかかわらず、たくさんある企業の中から、その企業を選び、そこで仕事をしてくれている事実を目を向けるべきです。そこにその人の「好意」を感じとり、感謝の念を持つことで、ようやく対等の目線で見ることができるようになります。 ■ 経営コンサルタント団体のトップ 私の処のような経営コンサルタント団体では、いわゆる労使契約とは異なります。会員に対して資格付与をし、それに見合った仕事を会員がクライアントに提供できるように支援していくことが役割です。 社員に相当する会員は、法的には「社員」と呼ばれます。ところが一般の企業の社員のように指示命令で動く人達の集まりではありません。それどころか、「一匹狼」であったり、「一社の主」であったりするのですから、人の言うことに耳を貸すどころか、自己主張が中心な人達です。 「会費というお金を払っているのだから、自分達がお客だ」という意識でもあります。理事長は、一般の企業の社長に相当するのですから、その人の言うことを素直に聞き入れてくれるかと思いきや、その通り実行してくれるわけではありません。それどころか、「お客に対して何という物言いだ」という反発すら受けます。 「理事長は会員のための小使い」というような気持ちで接すると、上から目線で会員を見ることはなくなるような気がします。しかし「小使い」だからといって自分を卑下する必要はありません。「会員のメリット」を提供することが協会の任務であり、会員が活発にコンサルティング業務をできるような支援をすることに喜びを感じれば胸を張って仕事をすることができます。 一般企業の役員といえば、高給取りで、重役出勤というイメージが強いです。ところが、私どものような団体では、役員である理事は無報酬のところが多いです。理事長や事務局長でも無報酬で業務に当たっています。 無報酬の人達を使っていくことは、企業の役員の扱いとは異なります。「人を使う」という感覚ではなく、「理事さんに仕事をお願いする」という基本姿勢でないと、上から目線での口調になりかねません。 ■ 部下の良いところを見る 経営コンサルタントという本業を持っている理事ですが、全ての面でパーフェクトである人はほとんどいません。それぞれが長所を持ち、短所も持ち合わせています。 その様な人達に仕事を”お願いする”には、上述のように上から目線で見ないことは当然のことです。私は、各理事の「良い面を見る」ようにしています。そして、それらを発揮できる業務を中心にお願いするようにしています。各理事は、自分の得意分野であったり、長所であったりする部分での業務ですので、比較的快く引き受けてくれます。 中には理事長の立場から見ると、理事としての業務を充分にやりこなせていない人もいます。その場合にはコミュニケーションに気をつけます。 「お願いする」という基本姿勢だけではその状況が改善されないことがあります。その場合にはフェース・ツー・フェースを基本とします。フェース・ツー・フェースによるコミュニケーションですと、メールなどとは異なり、相互に言い方を工夫し、感情を抑えるところは抑えるように自制心が働きます。 一般企業のトップのように、叱責したり、大声を上げたりするのは、最後の最後の、最後の手段と心得るべきです。企業の役員なら、簡単には辞めることはありませんが、私どものような団体の役員は、会員として留まらなくても自分一人だけでもやっていけるような実力を持っていますので、退会しようと思えば、いつでも容易に退会できます。 折角得た人材を、失うことは大きな損失です。 平素から、相互の信頼関係を築いていることが重要です。しかし、信頼関係というのは永続するものではないので、常に信頼関係を高める努力を平素からしておく必要があります。 |
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