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経営トップ15訓 ”当たり前”が実行できる |
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第 2 訓 全体を俯瞰的に観て、ぶれない判断基準(ものさし)を用いて決断する |
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■ 富士山がいろいろに見える トップといえども、自分自身の業務を抱えた上で、自社・自組織の運営という業務を担っています。それに関連する業務に追われると、その業務に視点が集中してしまい、周辺はおろか、全体を見失うことにも繋がりかねません。 常に一歩下がって、俯瞰的に自分の会社を観るようにしましょう。単に「見る」のではなく、じっくり観察する「観る」という習慣を身に付けましょう。また、時には第三者的な冷徹な視点で「診る」ことも体得しましょう。 その時に、漠然と見ていては、車窓から見える景色同様に過ぎ去るだけです。東海道新幹線に乗って、三島駅の手前から、「そろそろ富士山の全容が見える頃だ」と言い聞かせると同じ富士山でも見えるものが異なってきます。 「今日の富士はレンズ雲がかかっているので天気が悪くなるな」「宝永火山の噴火口はあんなに低い位置だったかな?」「初夏なのに山頂近くにはあんなにたくさんの雪が残っている!」等々いろいろな発見があります。 「今日は、富士山の頂上付近に雲がかかっているな」ということに気がつくと、昔の人が「今日は風が吹く」と言い伝えてきたことを思い出すかもしれません。 左右に雲がたなびいていると、かつて使ったお札の富士山の絵を思い出して、「やっと手に入れたお金だ。大切にしよう」と若い日の気持ちを思い出すかもしれません。 ■ 経営トップは鳥となって「視る」 「観る」ことの大切さを再認識できれば、企業を俯瞰的に視るにはどうしたらよいのかを考えるでしょう。 文字通り、物理的に高い位置を梯子などでつくって、社内を実際に観ても良いかもしれません。「あそこの部分は、照明が他に比べて明るい」というような物理的なことでも、発見があれば何かを視るきっかけになります。 「昔、あの部分は受け入れ検査の担当者が作業していたところだ。だから照明を明るくしたんだ。いまは別の部署だから明るくしておく必要はないのだ。それにしても、受け入れ検査のデータを最近は見ていないな」などと自分の仕事のやり方の問題点に気がつくかもしれません。 始業直後の営業部門を見ていると、今日の訪問先のアポを取る社員もいれば、サッサと準備をしてお客様の処へ出かける者もいます。そこから、営業パーソンの効率性について見直してみようということになるかもしれません。 それが契機となって財務諸表や販売管理のデータを俯瞰的に視ることもあるかもしれません。 ■ 経営トップは”ものさし”を持て その時に、ものさしを持って見ることが必要です。企業内を見るときには、経営理念や経営計画というものさしもあれば、マニュアルというものさしもあります。ものさしを変えると、視線も変化して来ます。 さらに一歩下がって、「近隣の企業や商店は儲かっているのだろうか」「日本経済は・・・」「グローバルな視点で見て日本は・・・」「これからの技術動向はどう変化するのだろうか」等々、カメラのズームを引くようにしてみたり、元に戻したりと、俯瞰的に視る視点を変えてみてはどうでしょうか。 例えば業界というものさしを使って、業界におけるポジションを確認しても面白いです。日本経済指標を基準に自社を視ることもあるでしょう。グローバルな視点で視る時に、それらを組み合わせて視ることも必要です。 蛇足になりますが、経営コンサルタントは、企業や組織・団体等を「診る」ことが必要です。 「木も見て森も見る」習慣を持つと、経営判断の精度も上がってきます。 |
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