経営コンサルタントと 経営者・管理職の 架け橋 |
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. | 中小企業診断士受験体験記 | |
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■ 中小企業診断士 永島 健太 氏 | ||
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以下は、私が平成14年度中小企業診断士試験に向け学習し、受験し、そして合格 という結果を得るに至った経緯を記録するものです。学習開始までに習得してい る知識や学習を進める上での環境等、受験生の皆様がそれぞれ違う条件でありま すため、あくまでもご参考にして頂ければと思いつつ、書き進めていくこととし ます。なお、私は無職(転職準備中)かつ実家暮らしであり、両親の協力により 学習可能時間が極めて得易い環境であったこと、および平成13年度に社会保険労 務士およびAFP試験の学習をした経験があることを冒頭に書き記しておきます。 ■ 学習する上での基本姿勢 *以下の文中で「例)」として記述する内容は、私が実際に行った内容です。 1.知らない知識を学んでいる以上、始めは分からなくて当然。忘れる前に繰り返 し学習し知識の定着を図ると共に、苦手意識の芽生えそうな科目は、意識的に時 間配分を増やす。結果としてそれが得意科目となる。継続は力なり。 例)キーワードチェックリスト(1冊/日)、 財務・会計テーマ30(1〜3テーマ/日)
2.何事も自分のためと信じ、主体的に学習に取り組む。 3.使える時間は出来る限り学習にあてる。本試験の時に「やれることはやったな。 これで落ちたら仕方が無い。」と思えるレベルまでやる。自信は努力から。 例)風呂の中やちょっとした待ち時間にキーワードチェックリスト 4.講師の推奨する学習方法は、まず実践してみる。 例)サブノート作成、財務・会計1日1問 5.気になったことは(出来る限り)直ぐに確認する。 ■ 学習する上で活用した各種理論 1. SWOT分析 自分の内部資源(体力、集中力、知識など)と外部環境(学習可能時間、講義、 模擬試験、グループ学習、本試験日程など)を分析し、把握する。 2. マネジメントサイクル(PDCAサイクル) 書き込みスペースの大きい壁掛けカレンダーを用いて、学習のスケジュールを 計画、実施、見直し、調整(再計画)していく。スケジューリングでは、模試や 講義日程をベースにして1〜2ヶ月先までの計画を立てると共に、出来るだけ早い 段階で、2次筆記試験を意識した学習計画を立てるようにする。 3. 行動療法 (1)情動提示法: 答練や模試は、常に本試験と同じ緊張感で臨むようにする。本番で訪れそうな 不安事項をあらかじめ体験することで、本試験時に何があっても動揺しないよう にする。 (2)トークン・エコノミー法: 上手くいったら自分に褒美を与える。 例)総合答練や模試で目標スコア・順位を設定し、クリアしたらビール や焼肉
(3)シェイピング法: 本試験までの答練や模試を活用し、短期的な目標設定と成果確認を行う。 ■ 1次試験に向けての学習方法 1. 自分の見易い・使い易い形式でサブノートを作成する。 (まずは作成してみて、必要に応じてマイナー・チェンジを行う。) 例)図表やグラフのコピーの貼付け、ルーズリーフの活用 2. サブノートの作成と並行し、出来るだけ沢山の答案練習を行う。 例)理解度チェック問題、宿題問題、過去問、500選、実践問題、チャレ ンジ問題 * 模試等の受験を考慮した上で、繰り返し答案練習を行える量の 問題集に抑える。(私が別途購入したのは、過去問、500選、テ ーマ30のみです。) * 解答確認時に、問われたテーマのサブノート該当箇所を蛍光ペ ンで色付けすることで、頻出箇所および教育機関の考える要注 意箇所を明確化すると共に、サブノートに不足している情報を サブノートに追記していく。 3. 総合答練や模試を受ける際には、常に課題を持って臨むようにする。 例)本試験を想定しての時間配分の確認、試験時間にベストな状態とな るような起床してからのスケジュールや食事・給水内容の確認、必 要となる持ち物の確認、熱さ・冷房対策の確認など
* 解答確認時には、2(*)と同様のことを行う。 * 模試は、出来る限り色々な受験機関のものを交えて、数多く受 験することをお勧めします。 4. 本試験1ヶ月前位になったら、本試験に持参する参考書(例)ツール・ボック ス100(LEC))に、サブノート内で蛍光チェックをしてある箇所で参考書に不足 している情報を参考書に書き写していく。 ■ 2次筆記試験に向けての学習方法 1. 1次試験向けサブノートを加工し、2次試験向けサブノート1冊を作成する。 例)講義テキストなどをベースにして、経営戦略全般に関わる内容+事 例テーマ4科目=5つの内容にまとめ直す(ルーズリーフを組み直 す) 2. 講義や模試を受ける。 * 私は学習方法が良く分からなかったため、担当講師と相談した 上で日本マンパワーの2次試験対策講座を並行受講しました。 * 講義中の事例演習や模試の受験においては、1次試験対策3と同 様の各種確認を行う。 3. 講義や模試の復習と、サブノートなどを用いた1次知識の復習を行う。 例)与件文を読み込む、字数制限に慣れるためにとにかく書く、自分な りの解答パターンの確立を模索する
ス100見直し(1科目/日)、テーマ30(1テーマ/日) * 自分の再現答案を振り返ってみて、2次筆記試験を端的にまとめ てみますと、 1次試験の知識と中小企業白書から得た知識を用い、事例企業 に相応しい具体策をコンサルティング・レポートとして時間内 にまとめる試験であり、その回答記入においては、全体の流れ およびバランスと、「明確、簡潔、完全、率直、控え目、体裁 」を踏まえた採点者(クライアント)に否定させない内容(守 りの回答)が求められるものであると言うことが出来ます。 →ダーツの的の中心が100点であり、出来るだけ中心近くに矢を 投げる。 ■ 2次口述試験に向けての学習方法 1. 2次筆記試験問題の見直しを行う。 2. 講義を受ける。 例)日本マンパワーにおける模擬面接 3. サブノートなどを用いた1次知識の復習を行う。 例)サブノート確認、キーワード・チェックリスト(1冊/日)、ツール ・ボックス100見直し(1科目/日)、テーマ30(1テーマ/日) ■ 受講した講座 DAI-X ストレート通学講座(船橋校&渋谷校ダブル受講) (企業経営通信学院)財務ベーシック、情報ベーシック、白書ベーシック 直前対策講座 日本マンパワー 2次ストレートコース ■ 受験した模試 (受験順番順) 1次試験対策 TBC 日本マンパワー 企業経営通信学院 TAC(在宅受験) 2次試験対策 企業経営通信学院 TAC 日本マンパワー(在宅受験) JCON(在宅受験) ■ 学習する上で参考にした書籍
・ 平成13年度本試験過去問(1次、2次) ・ ベスト問題500選1(DAI-X出版) ・ ベスト問題500選2(DAI-X出版) ・ 財務・会計徹底攻略テーマ30(DAI-X出版) *理解度チェック問題、宿題問題、実践問題およびチャレンジ問題は、 通学講座の中で行われたものであり、市販品ではありません。 2. 参考書 ・ 中小企業診断士講座テキスト(企業経営通信学院)*非売品 ・ キーワードチェックリスト(企業経営通信学院)*非売品 ・ 中小企業白書 2001年版 ・ 中小企業白書 2002年版 ・ 中小企業施策総覧 平成13年度版(中小企業総合研究機構) ・ 中小企業施策利用ガイドブック 平成13年度版(中小企業庁)*無料 ・ 中小企業施策利用ガイドブック 平成14年度版(中小企業庁)*無料 ・ よみがえれ!中小企業(平凡社新書) ・ コンサルティング・コーチング(中小企業診断協会) ・ コンサルティング能力(JMAM) ・ ツール・ボックス100(LEC) ・ マンガマーケティング入門(サンマーク文庫) ・ マンガ簿記入門(サンマーク文庫) ・ マンガ経理入門(サンマーク文庫) ・ マンガ有価証券入門(サンマーク文庫) ・ マンガ財務諸表入門(サンマーク文庫) ・ マンガ原価計算入門(サンマーク文庫) ・ マンガ資金繰り入門(サンマーク文庫) ・ マンガ新パソコン入門(サンマーク文庫) ・ マンガインターネット入門(サンマーク文庫) ・ マンガ相続・贈与入門(サンマーク文庫) ・ マンガ企画書入門(サンマーク文庫) ・ マンガ貿易入門(サンマーク文庫) ・ マンガ年金入門(サンマーク文庫) ・ まんがDE入門経済学(日本評論社) ・ 1週間で分かる基本情報技術者集中ゼミ午前編(日本経済新聞社) ・ デジタル用語辞典2001−2002年版(日経BP社出版局) ・ イミダス2002(集英社) ・ IT用語 カタカナ・略語辞典(集英社)*イミダス付録 ・ 社会保険労務士講座テキスト(DAI-X)*非売品 ・ FP講座テキスト(DAI-X)*非売品 ・ LECTURE人事労務管理(泉文堂) ■ その他参考としたもの ・ LINK(DAI-X)*会報誌的なもの ・ コンパル(企業経営通信学院)*会報誌的なもの ・ コンサルピア(日本マンパワー)*会報誌的なもの ・ 月刊企業診断(同友館) ・ 中小企業振興(中小企業総合事業団) ・ 日経IT21(日本経済新聞社) ・ 経済産業省メールマガジン ・ 財務省メールマガジン ・ LECメールマガジン ・ AOKI-NET(http://www.aoki-net.com/) 最後になりますが、Q&Aや参考書籍の貸出しなど私でお役に立てることがあれ ば、出来る限り協力させて頂きますので、ご遠慮無くご用命頂ければと思います。 また一方で、私は社会経験の浅い本当に未熟な若輩者です。色々とご指導賜り たく、今後とも何卒宜しくお願い致します。 |
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中小企業診断士とは、「中小企業の経営課題に対応するための診断・助言を行う専門家」をさし、中小企業支援法に基づいて経済産業大臣が登録する資格です。「中小企業者が経営資源を確保するための業務に従事する者」、すなわち経営コンサルタントの資格で、中小企業診断士試験に合格するか、中小企業総合事業団中小企業大学校東京校(TEL042-565-1207)が実施する中小企業診断士養成課程を修了した人が登録されます。 |
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