プロコンサルタント道場
ケーススタディ
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私共のホームページを見て下記のようなメールが来ました。
コンサルタントとして、あなたならどのように回答しますか。 |
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当社は、生鮮品を中心とした食料品の卸問屋です。
経営者には、経営理念も経営方針も無く、私は管理職とは名ばかりです。
最近、私のやるべき事が分からなくなり、そろそろ辞めようと考えています。
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回答者: 今井 信行 |
◆ プロコンサルタント道場とは
がっかりさせるようですが、「経営コンサルタントは人生相談の専門家ではない」ということです。
この様なケースへの取り組み姿勢は、コンサルタントにより大いに異なるでしょう。
労務コンサルタントの場合には、このケースは非常に重要です。
私の場合には、放置しておく訳にはいかないと考えます。
相手が顧問先の社員である場合には、経営コンサルタントの仕事の一部であり、それが顧問先に大きく影響することもあります。
その観点で、プライバシーを重視して取り組みます。
相手が、今回のように顧問先ではない場合には、上述のように人生相談の専門家ではないことをはっきり言います。
そして、こちらの状況が許せる範囲で、誠意を持って答えるようにしています。
「情けは人のためならず」
(最近はこの言葉の意味が大きく異なる誤用が多いようですが)
◆ コンサルタントの仕事への取り組み姿勢
コンサルタントといってもいろいろな仕事があり、考え方や経験などが異なりますので、「コンサルタント」とひとくくりにすることは危険ですので一般論は言えません。
私自身は経営コンサルタントとして「現場主義」「データ主義」を取り組み姿勢についてのベースのひとつにしています。
ですから、このケースの場合、相手企業を見ていないのですから、軽々しく経営コンサルタントとしての意見を述べません。
◆ 回答者に対するコメント
メンバーからいくつかご意見をいただきました。
この様な前向きな取り組み姿勢が、コンサルタントには必要だと思います。
すなわち、「お節介焼き」根性がなければ、コンサルタントをしない方がよいと考えています。
特に経営コンサルタントというのは、自分の金儲けよりも、「顧問先に儲けてもらおう」という気持ちで仕事に取り組む人たちだと考えます。
そうでなければ、自分が方法論をわかっているのですから、自分が顧問先をヒントに儲ければよいわけです。
判断基準として「やり甲斐と賃金」「自分の仕事と会社が求めるもの」「会社の良い点、悪い点」などを挙げていますが、多分私も個人的にアドバイスをするのであれば、前述回答メンバー達と同様な観点で返事を書くと思います。
「経営者に経営改善の、労務改善の意識」があるかどうか、これは判断をするときに重要なポイントとなります。
このケースの場合、「当社の経営者は経営理念と経営方針がなく...」とありますので、この質問者の目から見ると前述の問題には、この経営者に良い点を付けられないと思います。
しかし、われわれ経営コンサルタントは、刑事と似たところがあり、この質問者が言っていることが正しいかどうか、裏をとらないうちは必要な情報の半分しか現場を見ていないことを自分に言い聞かせます。
【 注 】
上記は、あくまで対処例で、実際にはケースバイケースで対処法が異なります。
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