コチョウランやミニカトレアなど、今ではすっかり身近になった蘭。最初に蘭のブームが起こったのは、英国(イギリス)といわれています。
1818年、プラント・ハンターとして著名だったウィリアム・スウェンソンが、ブラジルから植物(苔や地衣類という説もある)を送る際に、厚手のしっかりとした葉を持つ植物を、他のもののパッキング材料として使用したのが、蘭だったのです。
それを送られたイギリスの園芸家、ウィリアム・カトレイはその植物を育てたところ、それが非常に美しい大輪の花をつけ、当時のイギリス人たちをビックリさせました。その後、この花について、植物分類学者ジョーン・リンドレイ(John
Lindley、1799〜1865年)は、カトレイにちなんでカトレアと命名し、このことが切っ掛けとなり、貴族の間で蘭がブームとなったのです。
明治時代に日本に入ってからも高価で栽培も難しく、高嶺の花として扱われていました。このイメージが未だに引き継がれ、現在でも、高価、難しいと思われている感じがします。
しかし、1980年の半ばに、メリクロンという増殖技術が導入されてからというもの、一度に数万〜数十万の分身が作り出されるようになり、手軽に安価で入手出来るようになったのです。また、品種改良が進み、寒さに強い品種もふえた上に、一般家庭の暖房設備の向上で、今や蘭栽培は気軽に楽しめるものになりました。
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