光前寺　三重塔

■　三重塔 　南信州唯一の三重塔で、高さ五丈六尺四寸（約17㍍）あります。塔内に五智如来が安置されています。 　建物は、立川和四郎の手による美しい彫刻が施されています。現在の塔は、文化五年（1808年）に再建されたものです。

三門横から見た三重塔

遠目にも細かい造作を感じられます。

本堂前から見た三重塔

光前寺　三重塔の彫刻

立川和四郎の手による美しい彫刻が施されています

■　立川 和四郎（たてかわ わしろう） 　江戸時代中期から信濃国（現在の長野県）諏訪郡を本拠地に活動した宮大工の一人です。江戸幕府作事方立川流の地方分流に属します。 　初代富棟が、工房で彫刻を大量に作成して軸部完成後に運搬して取り付ける分業形態、施主の要望により彫刻をオプションとして付加する随意付加形式、事前にカタログを提示して請負契約をまとめる発注形式など、合理的に組織化された建築活動の基礎を構築し、短期間で多量の建築工事を可能としました。（【Wikipedia】参照）

三重塔や五重塔の四隅に その方位を守護する動物などが彫られることが多いです。 龍は、水に関係することから、火災から守るという言い伝えがあります。

正面 宮大工・立川 和四郎の細かい細工がすばらしい

三重塔四面にわたる 仏教にまつわるお話が彫られています。

裏正面

光前寺　三重塔周辺

三重塔下に立つ観音像

■　上穂十一騎　（うわぶじゅういっき） 徳川・豊臣の大坂の陣で、豊臣方についた真田幸村とともに、この地方の千村氏１１家臣が大阪城に入城し、徳川軍と闘いました。真田丸で勇敢に戦った武士達が祀られています。

光前寺　霊犬・早太郎の墓

■　霊犬　早太郎伝説（れいけん　はやたろうでんせつ） 　今より700年程も昔、光前寺に早太郎というたいへん強い山犬が飼われておりました。 　その頃、遠州府中（静岡県磐田市）見付天神社では田畑が荒らされないようにと、毎年祭りの日に白羽の矢の立てられた家の娘を、生け贄として神様に捧げる人身御供という悲しい習わしがありました。 　ある年、村を通りかかった旅の僧である一実坊弁存（いちじつぼうべんぞん）は、その正体をみとどけることにしました。大きな怪物が現れ『今宵、早太郎は居るまいな』などと言いながら、娘をさらっていきました。 　弁存は信州へ向かい、光前寺の早太郎をさがし当て、かり受けて急ぎ見付村へと帰りました。 　次の祭りの日には、早太郎が娘の代わりとなって怪物と戦い、それまで村人を苦しめていた怪物（老ヒヒ）を退治しました。早太郎は傷を負いましたが、光前寺までなんとか帰り着くと、和尚さんに一声高く吠えて息をひきとってしまいました。 　現在、光前寺の本堂の横に、早太郎のお墓がまつられています。

三重塔の横に 小さな祠と共に墓があります。

犬のために墓を建てるというほど 早太郎は、この地の人達に愛されているのでしょう。

霊犬・早太郎の石像 近くの本堂にも木造があります

墓の隣に立つ

石碑には、いわれが刻まれています

三重塔を守るように石像が建っています。

光前寺　本堂の霊犬・早太郎

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本堂に立つ早太郎の木造